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『猿羽根の地蔵様』

 むがしむがし、猿羽根の近ぐさ一人の婆さまいだっけど。
 婆さまの家では、嫁さ長いごど子供でぎねくて心配しったったんだど。
 ほだがら、婆さまは猿羽根の地蔵様さ願掛けに通うごどにしたんだど。
 何日も何日も雨の日も風の日も
「どうか、おらえさ子供授げでおぐやい」
って願掛けしたごんだど。
 ほして、願掛けの満願日のごどだっけど、婆さまはめんごい子供生まれる夢見だんだど。
 しばらぐしたらば、嫁の腹おっきぐなって、めんごい赤ちゃん授がったんだど。
 とごろが何したもんだが、婆さまの腹もおっきぐなって、婆さまさもめんごい赤ちゃん授がったなだど。

 どーびんと。

 猿羽根の地蔵様は猿羽根峠にある、日本三大地蔵の一つで、子宝、縁結び、延命のお地蔵様です。

山形弁訳

『猿羽根の地蔵様』
 むかしむかし、猿羽根の近くに一人の婆さまがいたんだと。
 婆さまの家では、嫁に長いこと子供が出来なくて心配していたんだと。
 だから、婆さまは猿羽根の地蔵様に願掛けに通うことにしたんだと。
 何日も何日も雨の日も風の日も
「どうか、我が家に子供を授けて下さい」
って願掛けしたんだと。
 そして、願掛けの満願日のことだったと、婆さまは可愛い子供が生まれる夢を見たんだと。
 しばらくしたら、嫁の腹が大きくなって、可愛い赤ちゃんを授かったんだと。
 ところがどうしたのか、婆さまの腹も大きくなって、婆さまも可愛い赤ちゃんを授かったのだと。

どーびんと。

 猿羽根の地蔵様は猿羽根峠にある、日本三大地蔵の一つで、子宝、縁結び、延命のお地蔵様です。