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山形弁(置賜方言)の昔話と山形県情報。方言で語る昔話で山形を感じよう!


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『おれの住まいと同じ』

 むがぁしむがし、
ちょうど山のかげの池さ、びっき、いだっけど。
いっぺ居で、そん中の一匹のびっき、
「おれぁ、山越えで海さ行って来た。おらだのこげな沼ど違って、いやぁ海はおっきがったぞ」
って自慢しったっけど。
  ほうしたら、一匹のびっきぁ、
「そがいにおっきごんじゃ、おれも行って見で来っかなぁ」
って言って、
ビッタラ、ビッタラて、三日もかがって、山の上さ登って行ったけど。
ほうして頂上さ上がって、グーッと背伸びして、眺めでみだど。
んだげんど、びっきの目ぁ、うっしょさついったもんたがら、自分の沼写ったんだども。
「何だぁ、おっきいなて、おれの住まいど同じだでら」
「こんなんだら、行がねくたっていいはぁ」
って言って、また、
ビッタラ、ビッタラて帰って来たっけど。
どーびんと。

山形弁訳

『おれの住まいと同じ』
むかし、むかし、
ちょうど山のかげの池に、蛙がいたたんだと 。
たくさん居て、その中の一匹の蛙、
「おれぁ、山越えで海に行って来た。おれらのこんな沼と違って、いやぁ海は大きかったぞ」
って自慢してたんだと。
  そうしたら、一匹の蛙、
「そんなに大きいのなら、おれも行って見て来ようかなあ」
って言って、
ビッタラ、ビッタラて、三日もかかって、山の上に登って行ったんだと。
そうして頂上に上がって、グーッと背伸びをして、眺めてみたんだと。
だけど、蛙の目は、後についていたものだから、自分の沼が写ったんだと。
「何だ、大きいなんて、おれの住まいと同じじゃないか」
「こんなんなら、行かなくたっていいや」
って言って、また、
ビッタラ、ビッタラって帰って来たっけど。
どーびんと。





○山形弁(置賜方言)の昔話

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